미래의 뿌리 ― 未来のルーツ

未来をつくるためには、ルーツを知ることが力になる

名前に宿るもの – 私の名は、歴史であり、夢

🌱 未来のルーツ 第二話


名前。呼ばれるたびに、当たり前のように返事をしてきた。
何気ない日常の中で、何百回も、何千回も繰り返されるやりとり。

でも、ふと立ち止まって考えてみたとき、
「自分の名前」って、なんなんだろう?と思うことがある。

それは単なる記号じゃない。
どこかで、誰かが願いを込めてつけてくれたものかもしれないし、
逆に、何かから自分を守るために与えられた名前かもしれない。

名前には、静かに言葉を越えて流れるような思いや、声にできない祈りがそっと込められている気がする。
ときには、誰かの記憶や希望が宿っていることもあるし、
ときには、過去の痛みや歴史までも背負っていることもある。

私は、日本人として生まれ、日本の中で育った。
「名前」は、当たり前に漢字で書かれ、読みやすく、
みんながスッと呼びやすい名前だった。
自分の名前について、特別に考えたことはなかった。
学校でも職場でも、何の違和感もなく名乗れて、名前について深く語る機会もなかった。

でも、あの在日の青年と出会ったとき、
“名前”の持つ意味が、まるで違って見えた。

彼は、朝鮮学校で育ち、本名を持っていた。
けれど、それを日常で名乗ることは簡単じゃなかった。

通名を使うのか、本名を貫くのか――
その選択には、覚悟と痛み、そして誇りが宿っていた。
どちらを選んでも、何かを背負うことになる。
それは、これまでの私が知らなかった“繋がれた名前を生きる”という重みだった。
彼の姿に触れて、その重みの意味を少しずつ理解しはじめた。

彼が言った言葉を、今でも覚えている。

「俺の名前は、祖父母が命がけで守ってくれたものなんだ」

重い言葉だった。けれど、とても静かだった。
それは怒りや悲しみではなく、
まるで灯火のように、静かに、でも確かにそこに燃えていた。

その言葉の背景には、語られなかった物語があった。
差別や偏見の中で、自分のルーツを否定されるような経験、
それでも、自分自身を守るように本名を持ち続けた祖父母の想い。

自分の名前を大切にするということが、こんなにも深く、強く、
そして静かな“抵抗”であり“誇り”であることを、
私はそのとき、初めて知ったのかもしれない。


そのとき、私は思った。

名前って、過去を受け継ぐものでもあり、
未来を選び取る言葉でもあるんだなって。

名前は、単に呼ばれるためのラベルではなく、
その人がどこから来て、どこへ向かおうとしているのかを語るものなのかもしれない。

この言葉が頭の中に浮かんだ。
「私の名前は、歴史であり、夢」。

きっと、彼の姿を見ているうちに、そんな言葉が心の中に浮かび上がったのだと思う。

自分が名乗る名前に、どんな意味を込めるのか。
そこに過去から受け継いだ思いと、これからの自分の生き方が重なっていく。

名前は、ルーツであり、これからの生き方を映す“ひとつの灯り”のようなものかもしれない。
自分のことをどんなふうに世界に伝えたいのか。
それは名前から始まるのかもしれない。

これからどんな名前で生きていきたいのか、
自分が何を守り、何を伝え、何に向かって生きるのか。
その問いに、自分なりの答えを探していきたい。

それを見つけていく旅こそが、
未来のルーツをたどることなのかもしれない。

名前は、生まれたときに与えられるものでもあるけれど、
大人になってから、自分の意思で抱き直すこともできる。
そこに、自分らしい生き方のヒントがある気がする。


📖 次回:「家族は、過去であり 未来だった
– 見つめ方ひとつで つながりは変わっていく


 

このブログは、私自身のルーツをたどりながら、
誰かが自分の“未来の根”と出会えるような場所を目指して、静かに綴っています。

もし、ここでの言葉があなたの心に何かを残したなら、
この旅が続いていくよう、そっと支えていただけると嬉しいです。

 


未来のルーツ:どこから未来は生まれるのか?

🌱 ルーツと向き合うという、新しいはじまり。


未来って、どこからやってくるんだろう。

明日の予定?

なりたい自分?

AIやテクノロジーが進んだ世界?

そんなふうに思っていた。
でも、ふとこんな考えが浮かんだ。

未来って、“今の歩み”がそのままルーツになるんじゃないかって。


「ルーツ」というと、多くの人は“過去”を思い浮かべるかもしれない。
家族の歴史や、祖先のこと、民族や国籍…。
確かにそれは、過去から続いてきた命の道だ。

でも、もしルーツが
“過去”だけじゃなく、“未来をつくる軸”にもなりうるとしたら?

そう考えると、これからの生き方や、選ぶ言葉、つながる人たち、
そういう「今この瞬間」も、
未来のどこかで振り返ったときに、ルーツだったと思えるかもしれない。


正直に言うと、
このテーマを語ろうとしている私自身、
日本人として生まれたけれど、
「自分のルーツってなんだろう?」とずっとわからないまま生きてきた。

家庭のこと、学校のこと、地域や国…。
どこか自分がどこにも属せていないような、
ぼんやりとした不安と自信のなさが、ずっと心の奥にあった。


そんなまま大人になって、社会に出て。
「しっかりしなきゃ」「役に立たなきゃ」って思いながらも、
何かが足りない感覚がずっと残っていた。

そんなとき、ひとりの青年と出会った。
朝鮮学校を卒業した在日の青年だった。

彼は、自分の名前や言葉、文化を大切にしていた。
それは、周りと違うからこそ、大切にしようとしている姿だった。


初めてだった。
「自分のルーツを大事にしている人」に出会ったのは。

それはすごく新鮮で、眩しくて、どこか羨ましくて。
そして、何よりも、心からかっこいいと思った。


それから少しずつ、
私は自分自身のルーツにも向き合うようになった。

ルーツって、特別な血筋の話じゃない。
国籍や歴史だけの話でもない。

「私は、どこから来て、どこへ向かっていくのか」
それを考えることで、初めて「私は私として立つ」ことができるような気がした。


このブログのタイトルは
「미래의 뿌리 ― 未来のルーツ」。

ちょっと不思議な言葉に聞こえるかもしれない。
でもこの言葉には、私自身の気づきと願いが込められている。


それは、

未来をつくるためには、自分のルーツを知ることが力になるということ。
そして、
今この瞬間の選択が、未来のルーツになっていくということ。


世界がどんどんグローバルになっていく今、
英語や技術、知識ももちろん大事だけど、
それ以上に大切なのは、

自分の根っこを知っていることかもしれない。


自分がどんな価値を大切にして、
どんな人とつながって生きていきたいのか。

それを知っている人は、
どんな場所でも、しなやかに、強く立てる。


これからこのブログでは、

  • 自分のルーツと向き合うこと

  • 他の人のルーツを知ること

  • 学校では習わない“つながり”の話

  • そして「共に生きる」ってどういうことか

そんなテーマを、ゆっくりと、でも深く書いていこうと思う。


読んでくれるあなたにも、きっとルーツがある。
もしかしたら、まだ自分でも気づいていないだけかもしれない。

でもそれを知ることは、

自分自身に力を与えることにつながる。

未来は、まだ見えない。
でも、今のこの歩みが、未来の誰かにとってのルーツになる。


それは、静かだけど、
とても大きな冒険のはじまり。


📖 次回予告:「名前に宿るもの」

私の名は、歴史であり、夢。

 

このブログは、私自身のルーツをたどりながら、
誰かが自分の“未来の根”と出会えるような場所を目指して、静かに綴っています。

もし、ここでの言葉があなたの心に何かを残したなら、
この旅が続いていくよう、そっと支えていただけると嬉しいです。